1ヶ月に1つオープン?と言われるぐらい、神楽坂ではバーが増殖している。実際はそこまでいかなくても、数だけ言えば”飽和状態”であることは確かだ。”食”については、もうなんでもかんでも激戦区。言うまでもなくバー激戦区である。
そんな神楽坂のある通りに、凛とした大人のバーがオープンした。マスターを務めるのは、バーでは名の知れた「ラジオ」を経て、「ル・パラン」でバーテンダーされていた方だ。
「ル・パラン」と言えば、新宿を代表するバーの1つ。何よりその重〜厚〜な雰囲気に圧倒されるバーだが、同じデザイン集団が「歯車」の空間を手がけたという。暗〜く重た〜い感じはどことなく「ル・パラン」と共通しているが、ヨーロッパ調の「ル・パラン」との大きな違いは”和モダン”であることだ。
エントランスには竹を使い、木の素材感をそのまま活かした店内は、入った瞬間から木の香りが漂ってくる。そして目に飛び込んでくるのが、立派な1枚板のバーカウンターだ。他では見ないほど厚みと幅があるカウンターが、その空間の”ゆとり”を物語っている。そのカウンターを前に座ってみれば、贅沢な気分になることは間違いない。
さて「歯車」と言うと「社会の歯車?」と、何だかいいイメージがしないでもないが、「人は地球という大きな”歯車”で生きているとも考えられるし、個人の気持ちや生活の歯車をここで整えて欲しい」という思いが店名には込められている。
営業時間は昼3時〜夜12時。昼でもカフェではなく、まっとうなバーを営業。中国茶も置くそうだが、あくまで葉巻と相性のいいバーメニューとして提供する。いったい昼から酒を飲みに来る人がどんだけいるかは、まだまだ未知数。
オープンしたばかりだが、しっかり根づいて欲しいバーだ。