激戦区・本多横丁にできた新しいバー「五感」。
この界隈でよく飲む人たちからは、「おしゃれなバー」と言われているらしい。実際、ガラス張りの入り口からもそんな雰囲気が感じられる。
神楽坂というと、木のぬくもり感を取り入れたウッディーかつオーセンティックなバーか、そうでなくても和のテイストやヴィンテージ感覚を取り入れた薄暗い感じのバーが多い気がする。
しかしこのバーは界隈では見られない、クールでモダンな空間が特徴だ。コンクリート打ちっぱなしの壁に、大理石のバーカウンター、ガラスのシェルフからもその雰囲気は想像できるだろう。カウンターの他、黒い革張りソファのテーブル席がいくつかあり、都会的な雰囲気漂うスタイリッシュな空間となっている。
店員さんが、ガラス越しにこちらの様子をうかがっていると実に入りにくい感じだが、入ってみれば若いバーテンダーさんが丁寧かつ気さくに対応してくれる。
メニューは、スタンダードなモルト(ウィスキー)とワインを2本柱に、カクテルは要望に応じて何でも作ると言う。ワインはグラスで700円〜からあり、「手頃な値段でワインを提供したい」という姿勢には共感できる。
さて、ここで飲んだもので「ムートン」という赤ワインがあった。羊のエチケット(ラベル)が印象に残っていて、あるワイン好きにその話をしたら、目の色が変わり大議論になったのだ。聞くと「ムートン」というと、通常グラスでは飲めない1本数万円もする高級ワインらしい。散々調べた結果、それは「ムートン・ノワール(黒い羊)」という別のワインであることが判明した。「ムートン」がまだあるか分からないが、ラベルといい味わいもなかなかいいワインだと思った。
空間的には独自ポジションにあるバーだが、同じビルにもワインを出すバーがある激戦区。モノ、ヒト、サービスという視点で、他とどう凌ぎを削っていくかがこれからの課題なのかもしれない。接客を含めいいバーという印象だが、ワイン好きの評価も聞いてみたいところだ。
○飲んだ物:赤ワイン×2